本物の大切さ ~ビムラー装置~
先日、矯正治療のセミナーに参加してきました。今回のセミナーは「ビムラー装置」という複雑な構造をした、あまりポピュラーでない矯正装置の講演でした。
この矯正装置はドイツ人の矯正歯科医H.P.Bimler先生が六十年ほど前に考案・作成し、1949年に初めて発表されました。「機能的矯正装置」という矯正装置に分類される代表的な装置の一つで、主に成長期の子供に使います。その考え方や装置の詳しい構造、使用方法などは歯科矯正学の教科書に掲載されているので、読んだことはあるのですが、十分に理解することができませんでした。さらに、実際の装置やその治療例を学会でも今まで見たことがなかったので、ぜひ今回は聞いてみたいと思っていました。考案者のBimler先生はすでに亡くなられ、娘さんが講師で講演されました。1日だけのセミナーでしたが、この装置の基本構造やその考え方をようやく理解することができたと感じさせられ、同伴した歯科技工士も「作ってみよう!」と意欲を見せており、有意義な1日になりました。本物に触れることの大切さを改めて教えられました。
平成25年9月のある日