院長の一言... 「高齢化社会の歯科医療の難問」
先日、大学の同窓会があり、久しぶりに先輩、後輩の先生達とお酒を酌み交わし、楽しい話に盛り上がりました。その時に聞いた話を一つ。
歯科で扱う最も多い病気のむし歯が年々少なくなり、口の衛生状態が改善されてきています。歯科医師会で提唱した8020運動(自分の歯が80歳で20本)も予想より早く達成されるようで、自分の歯で美味しく食事のできる高齢者が増えています。
ところが、そのような高齢者が認知症になると普段のように自分で歯を上手に磨くことができなくなってしまいます。
そのため急激にむし歯が増え、20本以上もの歯を抜歯せざるを得なくなったとのこと。
認知症の老人を多く世話する施設に働く介護士さんの中には入れ歯の清掃よりも沢山残っている歯の清掃のほうが大変だ、と迷惑がっている場合もあるそうです。
高齢化社会を迎え、認知症などで歯みがきができなくなってしまった場合のことまで予想することは難しいことでした。
歯科医療はこの新たな難問を解決すべくさらに一層の努力をしなければならないと思います。
令和元年6月のある日