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2023年2月27日

先週、日本臨床矯正歯科医会(日臨矯)の九州大会が福岡市で開催され、久しぶりに現地参加してきました。日本臨床矯正歯科医会とは矯正歯科を単科開業している臨床歯科医で構成されている学会です。毎年2月に支部が持ち回りで全国大会を主催しており、昨年は北海道支部が担当で札幌市にて開催しました。昨年まではコロナ感染症に対する警戒心が強くWeb形式で実施していましたが、今年はコロナ前と同規模の参加者でした。以前と違うのは参加者全員がマスクを着用していたことです。

五十周年記念大会ということで海外からの先生の招待講演や様々なシンポジウムが行われました。その中の一つに「中高年の矯正治療」というテーマのシンポがありました。40歳以上の矯正患者を対象とした会員のアンケート調査では中高年の矯正患者は年々増加しており、特に女性が多いとの結果でした。その背景は、国民の健康意識や審美的な意識が向上していること、健全な歯を持っている人が増加していることなどが挙げられていました。また、来院動機には審美的なことのほかに食べる、話すなどの口の機能の改善を求めて来られる方が多くなっているとのことでした。

ただし、それに伴い様々な全身的疾患や歯周病を有する場合も多くなることも治療上留意すべき点として挙げられていました。また、歯や歯の周囲組織、口唇などの状態も若年者とは異なることがあるため、治療のゴールの設定を十分に考慮する必要があるとの指摘がありました。

今後、ますます中高年の方の矯正治療の要望は増加すると考えられますので、それに対する矯正歯科医の準備も必要になってくることを強く感じさせられました。

令和5年2月のある日

2023年1月27日

「転医」は担当する先生との信頼関係が損なわれた時に考えざるを得ない解決方法の一つではあります。
しかしながら、一般的には治療を開始した歯科医師が継続して治療を進めることが無駄な時間を使わず最も効率的で高い治療成果が生まれます。

とは言っても、本人や家族の転勤や進学、就職などで治療が続けられなくなってしまう場合も起きてしまいます。
特にこれからの時期はそのような事態が多く起きる時期になってきます。その場合はきるだけ早めに担当の先生と相談することが大切です。

転医により新たな歯科医院で治療を続けなければならない場合はいくつかの要件を考えておくべきです。
まず一つ目は矯正治療の面で信頼のできる先生に診てもらうことです。
日本で最も信頼できる矯正歯科治療の資格認定制度として日本矯正歯科学会が認定する「認定医」や「臨床指導医」の制度があります。
これを取得するためには大学での基礎・臨床研修を数年間受けて修了しなければなりません。さらに、学会の審査で自らの治療症例が十分な治療成果であったと認められて初めて認定されます。矯正歯科医の専門医としての登竜門です。

令和5年1月のある日

2022年12月27日

矯正治療は数年におよぶ治療期間が必要です。
そのため、初めに検査・診断をした歯科医院で最後まで行うことがもっとも効率的な治療になると考えられます。

しかし、患者の転勤や進学、あるいは先生の病気や死亡、また両者間の不信・トラブルなどの理由で治療が続けられなくなることがあります。その場合はほかの歯科医院で治療を続けられるように「転医」という手続きを行います。
日本矯正歯科学会ではできる限り円滑に転医が行われるよう「倫理規程」にその項目があり、必要な手続きや治療費の返金を含めた精算などを示しています。

転医する場合はまず次に診療してくれる先生を探すことから始まります。
学会のホームページにある認定医リストを参考にすることをお勧めします。
次に、引き継ぐ先生が適切な治療を行いやすくするために必要な医療情報(診断や治療経過、顔や口の写真、レントゲン写真、模型など)を用意し、先生に提供する必要があります。患者さん自身が適当に歯科医院を探し、その先生に治療をお願いしてもうまく治療を進めることができないのが矯正治療のもつ難しい一面です。

令和4年12月のある日

2022年11月28日

日本矯正歯科学会への質問で最も多いものが治療内容と治療費のことです。
四年前に寄せられた質問の一例をご紹介します。

実際に矯正治療を受けている成人の方からの質問で、治療が始まってから四年が経っているのになかなか終わらない。初めは二年くらいで終わると言われたのにまだ続いている。今の状態にも不満なので、歯科医院を変えたい.その場合の治療費はどうなるのかという質問でした。

患者さんを納得させることのできる回答は難しく、頭を悩ませた質問でした。

一番は現在の担当医との信頼関係を回復して、治療をスムーズに進めることです。しかし、それが難しいとなれば歯科医院を変える、いわゆる「転医(転院)」ということをせざるを得ません。
学会の「倫理規程」にはこの転医に関する項目があり、必要な手続きやその際に生じる治療費の精算(返金の目安)などを示しています。
この矯正治療での転医について規定を設けている歯科医師の団体はおそらく日本矯正歯科学会のほか幾つかしかないため、学会の会員でなければ正しく転医手続きが行われることは難しいのが現状と思います。

令和4年11月のある日

2022年10月17日

日本の矯正歯科分野で会員数が最も多く、最も長い歴史のある学会は「日本矯正歯科学会」です。1926年に創立されおよそ百年近くになり、現在の会員数は6000人を超えています。

大学の歯科矯正学講座に在籍する医局員や矯正歯科を診療科目とする歯科医師の多くが所属し、矯正歯科に関する学術活動や社会活動を活発に行っています。
学会にはさまざまな委員会が設けられ、その中で矯正患者さんに最も近いものが「国内渉外委員会」です。一般の方や患者さんからの質問やクレームなどを受け、学会の立場として回答しています。私は8年間その委員会に所属していました。

学会へのよくある質問とその回答は学会のホームページに掲載されていますので、ご覧いただくと参考になると思います。
学会には実にさまざまな質問が送られてきますが、その中で最も多いのが矯正治療費に関する質問です。転居などで治療が続けられなくなった場合や何らかの理由から途中で治療をやめたい場合はどうなるのかなどです。
保険外診療の場合が多く、治療費も高額なのでご心配になるのは当然です。
次回は具体的に紹介したいと思います。

令和4年10月のある日

2022年9月22日

「院長一言」は新型コロナ感染症が発生する少し前の2019年10月まで、当院の待合室とホームページにほぼ毎月掲載していました。これを今月からまた再開することにしました。
中断した理由は幾つかあります。一つは診療がだんだん忙しくなってきていたことや人手不足、二つ目は学会の仕事や専門医更新の作業が入ってきたこと、そして止めは感染症に対する対応に追われていたこと、などがあります。

学会の仕事や更新作業は一段落し、人手不足もある程度解消したのですが、問題は発生三年目にもかかわらず第7波を迎えているコロナ感染症です。
このパンデミックにより診療所や医療業界のみならず国の内外の社会システムが予想もしなかったくらい大きな変化が起こってしまいました。

身近なことで恐縮ですが、年に数回ある学術大会も現地での参加はほとんどなくなり、パソコンの小さな画面から眺めるWeb開催になってしまっています。
学会は最新の医療情報を勉強するとともに、日頃聴けない色んな情報を仲間の人達との会話で得られる貴重な機会と考えています。
今はどちらも懐かしい昔の話のような気がしています。

令和4年9月のある日

2019年10月24日

ここ数年の間に徐々にですが、当院へ来院される患者さんの状況が変わってきているように感じています。

以前の矯正歯科には小学生や中学生の患者さんが圧倒的に多かったのですが、最近は大人の患者さんが増えてきていることです。

この傾向は全国的なようで、その理由は「お口の健康意識の向上」や「健康な自分の歯を持っている大人が増えている」などが指摘されています。

当院で年齢を調べてみると、6年前の2013年には20歳未満が60%、20歳以上が40%、平均年齢が18歳だったのが、その5年後の2018年には両者とも50%で平均年齢が20歳でした。最高年齢は2013年では50代でしたが2018年では60代でした。

来院する理由(動機)ではもっとも多いのが「歯並びが悪い」「歯並びが凸凹」「口元が出ている」「写真に写った横顔が気になる」「口びるが閉じられない」などが多くありました。

これは乱ぐい歯(叢生)や出っ歯(上顎前突)の方が多く来院されていることだと思います。やはりご自分のお口の見た目や健康が気になり、それを良くしたいという強い願望があり来院されることが多いようです。 

令和元年10月のある日

2019年9月17日

最近のTVや雑誌にAI(Artificial Intelligence)人工知能の記事がよく見られます。

AIを搭載したコンピュータとオセロやチェス,囲碁の第一人者とを対決させ勝負する。
以前であれば人間が勝利していたのですが、最近はAIの方に軍配が上がっているようです。

これは機械が人間の知能に勝つという映画みたいで、機械が人間を支配する世の中に近づいているのではと不安を感じます。

ある科学雑誌にAIの進歩の歴史が載っていました。

今のAIは第四世代で、前の世代よりかなり進化したプログラム「ディープラーニング(深層学習)」というテクニックの発明によるとのこと。
しかし、この世代ではAIが人間を支配するような高度な知的活動を行うにはまだ難しく、さらに新たなテクニックを見出す必要があるようです。

また、このまま進化し続けると将来的に「AIに奪われる仕事と奪われない仕事30」というリストが載っていました。

前者には主に事務系の仕事、後者には介護や医療の仕事が多いようです。矯正歯科医は後者の7位で、AIでは治療がまだ難しい仕事にランクされていました。
ちょっと安心しました。

令和元年9月のある日

2019年6月11日

先日、大学の同窓会があり、久しぶりに先輩、後輩の先生達とお酒を酌み交わし、楽しい話に盛り上がりました。その時に聞いた話を一つ。

歯科で扱う最も多い病気のむし歯が年々少なくなり、口の衛生状態が改善されてきています。歯科医師会で提唱した8020運動(自分の歯が80歳で20本)も予想より早く達成されるようで、自分の歯で美味しく食事のできる高齢者が増えています。

ところが、そのような高齢者が認知症になると普段のように自分で歯を上手に磨くことができなくなってしまいます。
そのため急激にむし歯が増え、20本以上もの歯を抜歯せざるを得なくなったとのこと。

認知症の老人を多く世話する施設に働く介護士さんの中には入れ歯の清掃よりも沢山残っている歯の清掃のほうが大変だ、と迷惑がっている場合もあるそうです。

高齢化社会を迎え、認知症などで歯みがきができなくなってしまった場合のことまで予想することは難しいことでした。
歯科医療はこの新たな難問を解決すべくさらに一層の努力をしなければならないと思います。

令和元年6月のある日

2019年5月 9日

四月から新学期が始まり、子供たちは新しい教室で新しい友達や先生に出会い、新しい教科書で勉強を始めています。

身体検査や検診が行われる季節でもあります。
開業以来、歯科医師会のお手伝いで毎年、歯科検診をしています。

卒業直後の数十年前に検診で診た生徒と最近の生徒とではむし歯の本数が驚異的に減少しています。

学校保健統計調査の結果では12歳兒の一人当たりむし歯本数は徐々に減少し、昨年は一本を切っていました。歯を大切にする健康習慣が普及した結果だと思います。

もう一つ、個人的に気になっているのが歯の生え替わりです。
小学校の6~12歳の間はちょうど乳歯から永久歯へ歯が交換する時期に当たります。

少人数の小学校を担当しているので、1年生から6年生まで一人で検診します。

それによると、生え替わる歯の順番は多様で、同じ学年でも生え替わりの個人差は結構あることが分かります。
さらに、背の高い子の方が低い子よりも生え替わりが早いように感じます。

最近の研究でも歯の成熟とBMI(体格指数)との関連を指摘していました。一度、詳しく調査すると面白いことが分かりそうな予感がします。

令和元年年5月のある日

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おびひろアート矯正歯科 院長 今井徹
おびひろアート矯正歯科
院長 今井徹

【所属学会】
日本歯科医師会
日本矯正歯科学会
アメリカ矯正歯科学会
日本臨床矯正歯科医会

【経歴】
1979年3月 北海道大学歯学部卒業
1983年3月 北海道大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1983年4月 北海道大学歯学部助手
1985年3月 北海道大学歯学部附属病院講師
1990年7月 日本矯正歯科学会認定医
1991年5月 文部省在外研究員としてアメリカ留学
1991年11月 北海道大学歯学部講師
1992年9月 日本矯正歯科学会指導医
1993年4月 北海道大学助教授
2000年8月 おびひろアート矯正歯科を開業
2006年11月 日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)