院長の一言...「上顎前突、いわゆる「出っ歯」について」その6
上顎前突(出っ歯)や反対咬合(受け口)などの不正咬合の原因には大きく遺伝的な原因と環境的な原因、それらのそれぞれに全身的なものと局所的なものに分けられています。
上顎前突の場合、遺伝的原因としてはクルーゾン症候群やトリチャーコリンズ症候群など、環境的原因としてはピエールロバン症候群などがありますが、発現頻度はいずれも30,000~60000に一人ときわめて希な原因です。ほとんどの場合は何らかの病気や異常によるものではなく、人それぞれ顔や姿が違うようにそれぞれ個人の持っている成長能によるものと考えられています。
上顎前突の異常を起こす構造的原因には骨格的なものと歯槽的なものとの二つに分けられます。前者は上アゴと下アゴの位置関係の異常、後者は上と下の前歯の生え方の異常があります。
骨格的な上顎前突は上アゴの成長が強い場合や下アゴの成長が弱い場合、歯槽的なものは上の前歯が前に傾いている場合や下の前歯が後ろに傾いている場合があり、それらが単一なこともありますが、多くの場合は幾つか複合してできている場合が多いと考えられています。矯正専門医はこれらを明らかにすることを目的に矯正検査・分析と診断を行っています。
今までの研究結果から上顎前突は上アゴが前に出ている場合は少なく、むしろ下アゴが後ろにある場合が多いといわれ、おおよそ70%以上との指摘があります。
実際の当院での診療でも下アゴの劣成長あるいは後方回転と診断される場合が多いと強く感じています。そのため、矯正治療ではこの問題点をできるだけ改善する治療方法の組み立てが必要となってくることになります。
令和8年6月のある日

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