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2025年3月31日

アライナー矯正についての最近の記事に次のようなことが書かれていました。
アライナー矯正の需要は伸びており、日本の市場は世界のトップ5に入る。一方で、安易に開始してトラブルとなっている事例も増加しており、歯科医師会や学会への問い合わせが絶えない。そのためアライナー矯正の特質を理解しておく必要があります。

この矯正治療はあらかじめ歯をどのように移動すればいいのかをコンピューターで予測し、それに基づき模型を作製、それを使ってマウスピースを作製します。
今までのさまざまな研究から、予測した歯の移動と実際の状態とを比較した「予測実現性」という数値が発表されています。それによると、実現性の高い順から歯の遠心移動(後ろに動かす)が85%、傾斜移動が82%、側方拡大が70%、捻転(回転)が62%、トルク(歯根の移動)が40%、挺出(歯を伸ばす)が30%で平均は60%でした。残念ながら100%近くの歯の移動は困難ということです。

現状でのアライナー矯正の適応症は抜歯をしない軽度な乱ぐい歯(叢生)や出っ歯(上顎前突)、受け口(反対咬合)、すきっ歯(空隙歯列弓)です。抜歯や厳密な大臼歯のコントロールを必要とされる重度の叢生、上顎前突、反対咬合、開咬などは適応症ではありません。

アライナー矯正にするかどうかを判断する場合は透明なマウスピースで目立たないし、取りはずしができるので楽そうな治療ということだけで決めてはいけません。
自分の状態が適応症なのか、それを正しく診断することのできる担当医は十分な矯正治療の知識と技量、経験を持っている歯科医師なのか、そして数年にわたり正確に歯が動くための時間マウスピースを装着し続ける意志を持っているのか、などを考えてみてください。

令和7月3月のある日

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おびひろアート矯正歯科 院長 今井徹
おびひろアート矯正歯科
院長 今井徹

【所属学会】
日本歯科医師会
日本矯正歯科学会
アメリカ矯正歯科学会
日本臨床矯正歯科医会

【経歴】
1979年3月 北海道大学歯学部卒業
1983年3月 北海道大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1983年4月 北海道大学歯学部助手
1985年3月 北海道大学歯学部附属病院講師
1990年7月 日本矯正歯科学会認定医
1991年5月 文部省在外研究員としてアメリカ留学
1991年11月 北海道大学歯学部講師
1992年9月 日本矯正歯科学会指導医
1993年4月 北海道大学助教授
2000年8月 おびひろアート矯正歯科を開業
2006年11月 日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)