院長の一言... 「アライナー型矯正装置を考える 7」
前回は矯正力の分布について考えてみました。
今回はいよいよ最後の要素「力の継続時間」についてマルチブラケット装置とアライナー型矯正装置とを比較します。
力の継続時間とは、力を歯にどのくらい連続して加えるのかと言うことです。歯に加える時間という観点から矯正装置には連続した力を加える装置と断続的な力を加える装置の二種類があります。
前者の代表がマルチブラケット装置です。この装置は取り外しが簡単にできないので、歯にはほぼ休みなく力が加わっています。それにより、歯が動くための周囲の骨などの組織変化が連続して起きていることになります。
したがって、装置が壊れたりしない限りはそれによる治療効果が確実に現れることになりなります。マルチブラケット装置が広く使われる大きな理由の一つです。
それに対し、アライナー型装置は取り外しが容易なため、力が歯に加わったり切れたり、さらに加わる時間も長くなったり短くなったりと不規則で断続的になってしまいます。
そのため、歯の動きは不連続で、治療効果の確実性は低くなります。
まさに患者さんの誠実さと根気強さに依存しているのです。
平成30年9月のある日