院長の一言... 「開業医の新しい知識の習得方法 その2」
先月は新しい知識を得る方法として学会や講習会、テキストブックなどを挙げました。今回はもう一つの学術雑誌について話します。
歯科矯正学や矯正歯科臨床に関して国際的にもっとも権威があり、長い歴史を持っている雑誌が二つあります。
一つはAmerican Journal of Orthodontics & Dentofacial Orthopedics、略してAJO-DOで今年で164巻を数え、毎月刊行されています。
もう一つはThe Angle Orthodontist、略してAOで今年で93巻になり、こちらは隔月の刊行になっています。
どちらの雑誌も毎回、十数編の論文が掲載されているので、それらを読むと最新の知見やこれからの研究や臨床の方向や情報などを知ることができます。そのため、世界中の多くの矯正専門医がこれらの雑誌を読んで研鑽しています。
数十年前、大学の医局に入局した頃はほとんどの医局員が個人購読を行っていました。
毎週行われる医局会ではこの二つの雑誌から面白そうな論文を選び出し、担当の先生が内容をまとめて発表し、みんなで議論すると言う抄読会を行っていました。
このような活動を通じて新しい研究を知るばかりではなく、論文とはどのように構成されているのか、何を書かなければならなのか、そしてさまざまデータをどのように処理したらいいのかなど、駆け出しの研究者にとってはとても勉強になった時間でした。
今も続けて読んでいますが、大概はAbstractを読む程度で、よほど興味があった場合に全文を読んだりしています。
最近分かったことですが、AOの雑誌は有料購読しなくてもネットで無料で読むことができるようになっていました。しかも、瞬時に和訳もしてくれるという大変有り難い機能もついています。インターネットやAIの進化にはつくづく驚かされます。
令和5年9月のある日