院長の一言... 「口腔癌と矯正治療」
先日、大阪での学会に参加しました。矯正歯科と関連のある他の医学分野について勉強をする目的で隣接医学講演という講演があります。今回は「口腔癌と放射線治療」、口の中にできる癌(ガン)に対する治療の一つである放射線治療について専門の先生からお話を伺いました。滅多にない貴重な機会でした。
癌の主な治療には外科手術、薬物療法、免疫療法そして放射線治療があります。外科手術では癌細胞が浸潤した部位を大きく切除しなければなりません。口の中ですと上アゴや下アゴの骨、頬や舌、目などが失われることがあります。そのため審美的にも機能的にも大きなデメリットが生じます。
それに対して、放射線治療は放射線を癌細胞に当てて死滅させ正常な組織に回復させるので、組織を失うことなく癌を治すという大きなメリットがあります。そのほか、口の中の癌は虫歯などで鋭利になった歯による長期間の刺激によって起こること、口腔清掃が不十分な場合には治療の効果が低いことなども教わりました。ただし、矯正装置によって起こった例は今までないとのことでした。
平成27年6月のある日