院長の一言... 「矯正臨床の三つのエポックメーキング」
先週、日本矯正歯科学会が札幌市で開催されました。北海道での開催のため移動の時間やお金の負担が軽くてすみました。そればかりでなく、宇宙望遠鏡を使った大きなスケールの画期的発見から、幹細胞を利用した先端的再生医療、そして最新の矯正治療についてと盛り沢山の講演が用意されていて、大変有意義な学会でした。
その中の一つに、著名な矯正臨床医である菅原準二先生の講演がありました。今回の講演では、ご自身の長年の臨床経験から困難な矯正治療例を通して、現代の矯正治療における三つのエポックメーキングについて解説されました。
第一はマルチブラケット装置の進歩。この装置によってほとんどの不正咬合の治療が可能になりました。第二はアゴの手術を伴う外科的矯正治療の進歩。通常の矯正治療では歯の移動量は2~5mmですが、この治療により5mm以上の歯の移動や上下のアゴ自体の移動が可能になりました。そして第三はアンカースクリューの開発。短く細いスクリューを骨に入れることで、今まで出来なかった歯の移動が可能になりました。矯正治療が確実に進化していることを丁寧に整理していただきました。
平成29年10月のある日