院長の一言... 「大人の矯正装置:マルチブラケット装置について」
30~40年前の矯正治療はおもに子供が治療の対象でした。大学病院の矯正科では子供と大人の比率はおおよそ7:3くらいでした。ところが最近はその比率は半々くらいに変化しています。
特に大都市部ではほとんどが大人の矯正治療だそうです。このような社会変化から、歯の表側に着けるマルチブラケット装置が治療で最もよく使われるようになり、今では矯正装置の代名詞となっています。
マルチブラケット装置の原型は今から約120年前、アメリカの矯正医E.H.Angleによって作られました。彼は「近代矯正歯科の父」と呼ばれるもっとも偉大な矯正医です。
その後、沢山の治療経験や試作、研究が重ねられ、現在のような装置に改良されました。そのため、この装置はほかの矯正装置と比べほとんどすべての歯を同時に、いちばん早く、正確に、そして三次元的に動かす利点を持っています。そのような訳で、大人の矯正治療にはもっとも適した、都合の良い装置なのです。
この応用として歯の裏側に着けるリンガル装置という装置が40年前に考案され、徐々に増えて、改良が続けられています。
平成28年7月のある日