«  2024年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
2024年4月30日

生まれながらにして何本かの永久歯が形成されないことがあり、そのような歯を先天性欠如歯と言います。発生頻度は約10%と10人に1人に起こり、非常に頻度の高い先天異常といえます。

永久歯は中切歯から智歯まで上下左右でそれぞれ8種類ありますが、その中で先天性欠如の起こりやすい歯として側切歯(前から2番目)と第二小臼歯(前から5番目)の二種類と言われています。矯正治療を含めて歯科治療を行う場合にこの欠如した部位をどのように治療したらよいのかは難しい問題の一つになります。

よく行われる先天性欠如歯の歯科治療の一つが下顎第二小臼歯の欠如で、たいていは第二乳臼歯が脱落せずに残っていることが多い。その11 mm以上もの大きなスペースをどうするかは悩むところです。

いくつかの治療方法が考えられます。一つは可及的に乳臼歯を残すこと。ただいつまで乳歯が残るのかは不確定で、脱落した場合に対応が必要になります。二つ目は乳歯を抜去して義歯やブリッジ、インプラントなど人工歯で対応すること。その場合、患者さんの年齢、歯と周囲の歯周組織の状態などを考量しなければなりません。

もう一つの方法として歯を移動することによって欠如した歯のスペースを閉鎖することです。その場合の「歯の移動」は矯正装置を使って人為的に歯を動かすことが主になってきますが、11mmものスペースを移動させるには長い時間がかかり、工夫も必要になります。

もし歯の交換期など早期に治療を始めることができる場合、第一大臼歯が自然に前に動いてくるドリフトという現象を利用することも有効な方法の一つです。適切な時期としては第二大臼歯の歯根形成が開始されてからが目安と考えられています。そのためには先天性欠如歯の早期発見が重要になってきます。

令和6月4月のある日

« 2024年3月 | メイン

Archives

Powered by
本サイトにて表現されるものすべての著作権は、当クリニックが保有もしくは管理しております。本サイトに接続した方は、著作権法で定める非営利目的で使用する場合に限り、当クリニックの著作権表示を付すことを条件に、これを複製することができます。

おびひろアート矯正歯科 院長 今井徹
おびひろアート矯正歯科
院長 今井徹

【所属学会】
日本歯科医師会
日本矯正歯科学会
アメリカ矯正歯科学会
日本臨床矯正歯科医会

【経歴】
1979年3月 北海道大学歯学部卒業
1983年3月 北海道大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1983年4月 北海道大学歯学部助手
1985年3月 北海道大学歯学部附属病院講師
1990年7月 日本矯正歯科学会認定医
1991年5月 文部省在外研究員としてアメリカ留学
1991年11月 北海道大学歯学部講師
1992年9月 日本矯正歯科学会指導医
1993年4月 北海道大学助教授
2000年8月 おびひろアート矯正歯科を開業
2006年11月 日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)