院長の一言... 「矯正歯科での保険診療」
日本の医療のほとんどは保険診療になっています。これにより、多くの人はかかった医療費の三割を支払うだけで診療を受けられます。これを「皆保険制度」と言い、58か国で行われていますが、アメリカなど多くの国では行われていません。
日本は「患者さんに優しい国」と言われています。矯正歯科では1981年に唇顎口蓋裂の治療に対して初めて保険が適応されました。今では47の先天性疾患が認められています。
そのほか、上と下のアゴが強くズレているために矯正治療だけでは治せない場合(顎変形症)に対する外科的矯正治療にも保険が認められています。
保険診療が適応になると患者さんの経済的負担がずいぶんと和らぐので、不正咬合に悩む多くの患者さんが安心して治療を受けられるようになります。矯正歯科医としても経済的負担の少ない治療になるので、治療方法の選択肢も多くなることがあります。
しかしその反面,書類の作成や保険上の制約、毎年の保険改正など診療以外の仕事の煩雑さを伴うため、社会保障制度のルールの難しさを感じることもあります。
平成27年12月のある日