院長の一言... 「アライナー型矯正装置を考える 4」
今回は歯を動かす時に必ず必要な矯正力の「大きさ」の点について、通常使われるマルチブラケット装置とアライナー型矯正装置とを比較してみます。
マルチブラケット装置は力の大きさを次のようにいろいろコントロールできます。
第一はブラケットに挿入するアーチワイヤー。
ワイヤーには断面の太さが十種類以上あり、断面の形も円形から四角まで三種類あります。金属の種類もニッケル・チタン合金やステンレススチールなど数種類あります。
さらに、ワイヤーをいろいろ曲げることでも力の大きさをコントロールできます。
第二は豊富な付属品の種類。太さや大きさのちがう輪ゴム、エラスティックチェインやスレッド、スプリングなど。
第三はブラケットにワイヤーを固定する結紮方法にもいろいろあります。
これらを自在に組み合わせることによって必要で十分な矯正力を歯に加えることができます。
それに対して、アライナー型矯正装置は製作する材料が2~3種類と限られ、しかも一つの装置には一つの材料でしか作れないため、マルチブラケット装置のようなハイブリッド的な力の大きさのコントロールはできません。
平成30年6月のある日