院長の一言... 「矯正歯科の専門医について」
医科や歯科での専門医とは「それぞれの診療領域において高度な知識と技術を持ち、患者に標準的で質の高い医療を提供できる医師や歯科医師」で、専門医制度の目的は「患者が安心して適切な医療を受けられるように、医師の専門性を明確にする目的で設けられています。」ということで、一般的には認定医より上位の資格の扱いで、現在は数十に上る分野の専門医が存在します。
2000年頃にそれぞれの学会が独自の専門医制度を設立し、専門医を認定してきました。歯科においても歯科麻酔や口腔外科学会を皮切りに小児歯科や歯周病などの専門医が誕生しました。
矯正歯科でも日本矯正歯科学会が専門医制度を設立し、2006年から専門医を認定してきました。私もその第一回専門医の認定を受けました。ところが、残念ながら日本矯正歯科学会の制度はある問題で厚生労働省からの認可が下りず、2014年に設立された日本専門医機構にその責務が移行しました。
このような矯正歯科の専門医制度の変遷の影響で「専門医」の名称も2021年には「臨床指導医」に変更されました。さらに、2024年にはその名称から「指導医」が抹消され、単に「臨床医」になってしまいました。
どのような経緯でこのように名称が変更になったのかについては一会員までは届いておらず、ホームページを見て初めて知りました。ある後輩が言っていました。普通、「臨床医」とは大学を卒業し、国家試験を合格したすべての歯科医師に対して呼ばれる名称なので、認定医や指導医よりも上位にある資格とはとても思われません。その通りかも、と残念に感じています。
令和7月4月のある日