院長の一言... 「歯の後戻りの最新研究について」
矯正治療で歯を動かした後、装置をはずしたままにすると動かした歯は元の位置へ戻ってしまいます。
これを「後戻り」と呼んでいます。
この後戻りはどうして起きるのでしょうか?
①歯並びや歯の位置、機能的なかみ合わせの変化
②歯周組織や歯肉の改造現象
③神経筋系の変化
④継続する成長
⑤抜歯などの治療方法
などが挙げられています。
その中でも②が有力な原因と考えられています。
それでは後戻りについての最新の研究報告(AJODO155(2))をご紹介します。
矯正治療しない人達、治療後リテーナー(後戻り防止装置)を2~3年使った人達と使わなかった人達の治療6~12年後、の三グループでの下の前歯の凹凸を比較しました。
その結果、治療した人達としなかった人達の下の前歯の凸凹は同じでした。
しかも、リテーナーを使った人と使わなかった人に違いはなかった。このことから、下の前歯は矯正治療をしてもしなくても同じ凸凹が起きていた。
前者を後戻り、後者を加齢現象と言います。さらに、リテーナーを一時的に使っても後戻りの防止効果はなく、できるだけ長期間使うべきと結論していました。
平成31年3月のある日