院長の一言...「上顎前突、いわゆる「出っ歯」について」その4
先々月(2月)の院長一言で、昔は反対咬合(受け口)の矯正治療が多かったこととその理由について書きました。今回は、最近の状況はどうなのかをみてみたいと思います。
厚生労働省が4~5年ごとにむし歯や歯周病など歯科の病気を全国規模で一般集団を対象に調査する「歯科疾患実態調査」という統計調査があります。その中に不正咬合の調査も含まれています。
それによると、2005年の調査では叢生(乱ぐい歯)がもっとも多く39.8%、次が上顎前突(出っ歯)で36.9%、反対咬合(受け口)は1.6%でした。2010年では叢生は43.1%、上顎前突は32.9%、反対咬合は2.3%、そして2016年では上顎前突がもっとも多く40.1%、次が叢生で26.1%、反対咬合は1.8%でした。一般集団でもっとも多い不正咬合が上顎前突で、しかも不正咬合の半数近くであることがわかりました。
ちなみに1981年の石川県での学童では上顎前突は4.2%、1997年の札幌市での調査では8.9%でした。以前に比べていかに上顎前突が増加しているのかが分かります。
矯正患者を対象とした最近の調査をみると、2024年の日本矯正歯科学会での調査報告では叢生は37%、上顎前突は25%、反対咬合は16%でした。当院でも2010年からの受診患者を対象に調査してみました。その結果では叢生は82.9%、上顎前突は53.2%、反対咬合は17.1%でした。
これらの調査報告から、不正咬合になっている日本人が近年増加していること、中でも歯並びが凸凹であったり、出っ歯の場合が多いことがわかります。これもタカトシではないですが「欧米化」ということでしょうか。
令和8年4月のある日
