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2018年12月 3日

私事で二か月「院長一言」をお休みしました。今月から再開です。

最近の医療ではEvidence-based Medicine(EBM)という言葉がよく使われます。
EBMとは「臨床研究によるエビデンス(科学的事実)、医療者の専門性・経験と患者の価値観の3要素を統合し、より良い患者ケアのための意思決定を行うもの」(中山健夫)
ということです。

そのエビデンスの妥当性は五段階(エビデンスレベル)に分けられ、そのトップがシステマティックレビューです。

2015年にアライナー型装置に関するシステマティックレビューが学術雑誌に発表されましたので紹介します。

2000~2014年間に発表された多数の論文の中から7編が選ばれました。
それによると、アライナー型矯正装置は、

 ①歯の圧下(下げる)量は0.72mm程度、
 ②前歯の挺出(上げる)や回転、特に丸い歯の回転は非常に困難、
 ③上顎大臼歯の歯体移動による遠心(後ろ)移動は1.5mmまで、
 ④前歯の4~5mmまでの凸凹は改善可能、と述べられています。

結論として、マルチブラケット措置に比べ適応範囲が限定される装置なので、それを十分に理解することが大切です。

平成30年12月のある日

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おびひろアート矯正歯科 院長 今井徹
おびひろアート矯正歯科
院長 今井徹

【所属学会】
日本歯科医師会
日本矯正歯科学会
アメリカ矯正歯科学会
日本臨床矯正歯科医会

【経歴】
1979年3月 北海道大学歯学部卒業
1983年3月 北海道大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1983年4月 北海道大学歯学部助手
1985年3月 北海道大学歯学部附属病院講師
1990年7月 日本矯正歯科学会認定医
1991年5月 文部省在外研究員としてアメリカ留学
1991年11月 北海道大学歯学部講師
1992年9月 日本矯正歯科学会指導医
1993年4月 北海道大学助教授
2000年8月 おびひろアート矯正歯科を開業
2006年11月 日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)