院長の一言...「上顎前突、いわゆる「出っ歯」について」その8
上と下のアゴの骨が成長したり、乳歯から永久歯への歯の交換がおこる時期にあたる小学生から始める早期治療(Ⅰ期治療)の目的について、Bahreman先生の有名な著書では以下の6つの目的が挙げられています。
- 1.正常な歯性や骨格性の発育を促す
- 2.咬合発育を阻害する環境要因の排除やコントロール
- 3.正常な咬合発育のために良好な環境を整える
- 4.不正咬合から正常咬合へ改善あるいは誘導する
- 5.Ⅱ期治療が不必要になる、またはⅡ期治療期間の短縮
- 6.成長誘導のために成長力を最大限利用する
難しい用語で分かりにくいかもしれませんが、個々の子供の持っている成長時期や成長能をできるだけ利用し、簡単な処置や矯正装置を使って正常なアゴや歯の形や位置への改善を導くことです。
また、正常なかみ合わせや歯並びの障害となる要因への対処、たとえば障害となっている乳歯をあらかじめ抜歯したり、指しゃぶりや舌突出癖などの習癖を止めさせたり、過剰歯(余計な歯)を抜歯したり、自力では生えてこられない歯(埋伏歯)を抜歯したり、引き出したりすることなどを行います。
この早期治療によって十分な治療効果を得ることができれば、次の段階のⅡ期治療である複雑なマルチブラケット装置を使った治療で永久歯を抜歯しなくてもすんだり、抜歯する歯の本数を少なくしたり、治療期間が短くなるなどの効用が生まれます。
子供の場合は自分でガンバって治そうとする意志が弱ので、保護者がこの治療の目的と効用を十分に理解し、励まして続けさせることが成功の大切なポイントになります。
令和8年8月のある日
