院長の一言... 「かみ合わせが食べることに与える悪影響」
今回は口の重要な役割である食べることと不正咬合(歯並びやかみ合わせの異常)との関係についてお話しします。食べる時の歯の役割には大きく2通りあります。一つは前歯、もう一つは奥歯です。前歯の役割は食べ物をかみ切ることです。お肉を食べる時には一度、前歯でかみ切って食べます。パンやリンゴも前歯で食いちぎって食べ始めます。でも、「出っ歯」や「受け口」になるとこれができなくなり、横の歯でかみ切ります。
どうして前歯を使わなければならないのでしょうか?それには次のような医学的理由があります。歯は骨に囲まれていますが、その周りには沢山の細い繊維(せんい)(歯周繊維)があり歯を支えています。また、栄養血管と言われる毛細血管も分布しています。前歯を使わないと歯に加わる力の刺激がなくなり、これら繊維や血管は消失します。そうなると支持の弱い歯になり、炎症など有害刺激に対して抵抗力が無くります。力の刺激を歯に回復させると繊維や血管が再生します。前歯でかみ切ることは歯の寿命にとって大切な機能なのです。
平成27年4月のある日