院長の一言... 「久しぶりの学会参加」
先週、日本臨床矯正歯科医会(日臨矯)の九州大会が福岡市で開催され、久しぶりに現地参加してきました。日本臨床矯正歯科医会とは矯正歯科を単科開業している臨床歯科医で構成されている学会です。毎年2月に支部が持ち回りで全国大会を主催しており、昨年は北海道支部が担当で札幌市にて開催しました。昨年まではコロナ感染症に対する警戒心が強くWeb形式で実施していましたが、今年はコロナ前と同規模の参加者でした。以前と違うのは参加者全員がマスクを着用していたことです。
五十周年記念大会ということで海外からの先生の招待講演や様々なシンポジウムが行われました。その中の一つに「中高年の矯正治療」というテーマのシンポがありました。40歳以上の矯正患者を対象とした会員のアンケート調査では中高年の矯正患者は年々増加しており、特に女性が多いとの結果でした。その背景は、国民の健康意識や審美的な意識が向上していること、健全な歯を持っている人が増加していることなどが挙げられていました。また、来院動機には審美的なことのほかに食べる、話すなどの口の機能の改善を求めて来られる方が多くなっているとのことでした。
ただし、それに伴い様々な全身的疾患や歯周病を有する場合も多くなることも治療上留意すべき点として挙げられていました。また、歯や歯の周囲組織、口唇などの状態も若年者とは異なることがあるため、治療のゴールの設定を十分に考慮する必要があるとの指摘がありました。
今後、ますます中高年の方の矯正治療の要望は増加すると考えられますので、それに対する矯正歯科医の準備も必要になってくることを強く感じさせられました。
令和5年2月のある日