院長の一言...「上顎前突、いわゆる「出っ歯」について」その9
前回は上顎前突の早期治療の目的についてお話ししました。今回からその早期治療に使用する矯正装置の主なものについて具体的に説明します。
矯正治療では上下のアゴや歯の位置を前後、上下、左右の三次元で考えます。
まずは上下のアゴの前後的な位置関係の改善を行う装置についてですが、その代表的なものがヘッドギアという装置です。1800年代にキングスレー(米)によって報告された歴史のある装置で、現在でもよく使われている装置です。
この装置は一部が口の外に出るもので、主に上アゴの6歳臼歯に装着したバンドにワイヤー(インナーボウ)を挿入し、首の後ろにつけるゴム(ネックバンド)に引っかけ、6歳臼歯に後ろへ押す力(顎矯正力)を加えます。それによって、上のアゴの前方成長を抑制したり、上の歯並び全体を後ろに移動したりすることができます。
使う時間が長いほどその治療効果は大きくなるのですが、現実には学校に行っている時間や、外で遊んでいる時間は着けられません。それでも、家庭内で勉強やTVを観ている時間や寝ている時間に毎日使用すると十分な治療効果が得られます。
ただ、使用する期間は限られていて、6歳臼歯の後ろにある12歳臼歯が生えてくるとその治療効果は激減してしまいます。そのため、12歳臼歯が生えてくる前の1~3年間に集中して使用することが重要になってきます。
数十年前のことですが、非常に真面目な子供で熱心な保護者の方がいまして、ほぼ一日中使っていました。さすがに半年で治療成果が達成されました。使うと効くのです。
令和9年9月のある日
