院長の一言...「上顎前突、いわゆる「出っ歯」について」その1
昨年、北海道矯正歯科学会で「開業10年目と20年目とでの当院患者の変化に関する実態調査」という演題名の発表をしました。昨年も書いたと思いますが、開業して25年間矯正治療を続けてきたその間に、治療を希望する方の不正咬合(歯並びやかみ合わせの異常)の種類がずいぶんと変わってきているのではないか?と感じたので調べてみました。
開業する前は大学病院に勤め、矯正治療を専門に仕事をしていました。医局に入った当初は患者さんのほとんどが反対咬合、いわゆる受け口の状態でした。当時は矯正歯科を専門に単科開院している歯科診療所が少なく、大勢の子供達が大学病院を受診していました。
必要とされる矯正装置は口の中にはリンガルアーチという数本の歯をワイヤーで動かす装置、口の外には下アゴの成長をコントロールするためのチンキャップという帽子のような装置で、それを使って治療をしていました。仲間の間では「チンリン」と言って話をしていました。
ある集団を対象として病気がどのくらい発症しているのかを統計学的に調査することを疫学調査といいます。1970~80年代の大学病院での矯正患者を対象とした不正咬合の種類についての疫学調査では神戸大学では37%、広島大学では39%、愛知学院大学では43%、福岡歯科大学や九州歯科大学では45%と発表されています。矯正患者の半分近くが受け口ということでした。
北海道大学による疫学調査はありませんが、その頃の担当患者の比率をみると8割近くが受け口であったように思っています。日本の中では九州地方と同じかそれ以上に北海道には受け口が多かったのではないかと考えていました。
令和8年1月のある日
